これは、オレと主が恋人同士になって少し経ち、オレが主の部屋に入り浸り始めた頃の話だ。 ある日、主は「貰い物のお酒があるから、晩酌しない?」とオレを誘った。 銘柄が薩摩の地酒だったので縁を感じてくれたのか、それとも恋人だからか。理由は定かではないが、主が個人的に誰かひとりを誘うのは珍しいことだったので、浮かれたオレはちよっといいつまみを持って主の部屋を訪ねた。 酒は美味い。お酌してくれる主も可愛い。それから、少し酔いが回った主がご機嫌なのも嬉しかった。 楽しそうに笑う主は、時々オレの肩に頭を預けてきた。柔らかい体がぴとっと密着し、オレの筋肉に押され薄い肉が沈む。その柔らかさを感じるたびに、ぐつぐつと欲が湧き立った。 が、主にその気があるのか分からない以上、性急にことを進めるのは憚られる。当時のオレはやっと好きになってくれた主に嫌われたくなくて必死で、余裕なふりをしていた。 ふたりとも酔っていたから、会話の内容はくだらないことばかりだった。本丸の連中が起こした珍事件だとか、些細な失敗談だとか。 主の笑いのツボは奇妙で、話のオチでもないのによくわからないところで笑い転げている。体を揺する内に彼女の薄手のトップスが少しはだけて、その下の汗ばんだ肌にオレの視線は釘付けになった。 「はぁ……。笑いすぎて暑い」 主は襟元を摘んで浮かせ、服の中に空気を入れようとした。 オレの頭の方が当然上にあるものだから、視線を落とせば彼女の谷間と下着が目に入る。柔らかい丘を雫が滑り落ちていく様に、生唾を飲んだ。乗っていい波とそうでない波を見極め損ねては、あっという間に飲まれてしまいかねない。 オレは座卓の上の五合瓶の中身を盃に注ぎ切り、飲み干した。つまみもあらかた食べ終わり、区切りをつけるならここしかないだろうという状況だ。 これ以上ここにいたら、冷静でいられない。紳士な男を装い、くたばりかけの理性を束ね、オレは座卓の上を片付け始めた。焦りと酔いで手元が狂い、杯と瓶がぶつかってガチャガチャと音が立った。 「お、いい時間だ。オレはそろそろお暇しようかな」 「えっ?」 主は不思議そうに目を丸くして、オレを見上げた。 頬は赤く、目元は少し眠そうに細められている。首筋には汗が張り付き、ひどく扇情的な光景だ。無理矢理集められた理性はとっ散らかって、オレの眼差しは無遠慮に主の身体を舐め回す。 ——ダメなんだって、そういう顔しちゃ。 雑な冗談で彼女を退けたいのに、オレの口からは何の言葉も出てこない。キスしたいなぁ、とか、そんなことしか考えられなかった。 「泊まってかないの?」 当たり前のことを確かめるような口調だった。服の袖を弱い力で引かれ、視界が歪む。刺繍のパンダの顔も、一緒にぐんにゃりしていた。 たったこれだけの量の酒を言い訳にできるほど、オレは軟弱な男じゃない。が、こと目の前の女にだけは滅法弱かった。こんな指先ひとつで身動きが取れなくなるくらいには。 「……泊まってって、いいの?」 「いいよ。もう遅いし」 同じ屋根の下に暮らしているのだから遅いも何もないのだが、オレは「まあ、遅いか」と主の言葉を復唱した。主が言うなら、仕方がないのだ。オレは彼女の[[rb:刀 > モノ]]だし。 片付けのために浮かせていた腰を下ろすと、主が手を握ってきた。小さくてふわふわしてマメひとつない、刀を握るのに適さない、弱そうな手だ。 「積極的だなぁ……もしかして、誘ってる?」 「ん……どうだと思う?」 オレが主に手を貸してやると、主はオレの指の間に自分の指を絡めて、握ったり開いたりした。 しばらくそれを楽しんだ後、手を離すと今度は腕の血管の浮き出た部分をつついたり、肘の骨の張り出した部分を指先で撫でたりする。そうして肌の表面を擦られていると、腹の下が熱くなってきた。 「オレも触っていい?」 「んー、ふふ、いいよ。触っても……」 そうされたかったんだろうな、という声色で、主はオレの腕から手を離した。 肩を抱き寄せ、こめかみに口付ける。そのまま頬、鼻と辿って、唇に吸い付いた。 「それ触るんじゃなくて、キスしてるんじゃん……」 「口で触ってる。ダメ?」 主は無言で首を横に振った。その拍子に顔が離れたので、もう一度距離を詰める。 「もう一回していい?」 一回で済ませる気なんてないけど。訊ねると、主は素直に目を瞑った。 唇を重ね、離れては再び触れる。それを繰り返していると、主が舌を差し出してきた。オレの主はお誘い上手だ。この波に乗らない手はないので、オレもそれを絡め、主の口内へと侵入した。 「んっ、……っ」 キスをしながら胸に触れると、主は少し驚いていた。 早まったかと手を引きかけたが、彼女は拒まない。それに甘えて、服の上から先端の位置に親指を重ねた。 円を描くように撫でると、ぴくりと体が震える。嫌がってなさそう、と思ったので、オレは腰に手を回して抱き寄せる仕草で主のトップスの裾に手を忍び込ませた。 背中が汗ばんでぺたぺたしている。脇腹を経由すると、指先がくすぐったかったのか、主は身を捩った。 トップスを胸の上まで捲り上げる。流石に目の前の絶景を見逃したくはないので、唇を離した。 見下ろした主の表情は、とろんと蕩けていた。キスが気持ちよくてたまんない、って顔だ。 その下には柔らかそうな胸が露出していて、汗の雫がきらきらしていて——思わず見惚れた。こんないいものを見ても許されるもんなんだろうか? まあ、オレが捲ったんだが。 「見過ぎ……」 「イイね、興奮する……」 「んっ、ん、あ……」 胸を揉み、時々親指で先端を刺激する。気持ち良さそうに鼻から抜ける声を出すので、そのまま親指で下着をずらした。 あらわになった乳首はすでに立ち上がっていて、オレに触れられるのを待っていた。下着の縁からはみ出して膨れる様が、あまりにもいやらしい。 「あ、あッ、あ、……っ、ん、んん……」 「気持ちい?」 「う、うん、っ……」 尖った先を親指の腹で撫でた後に、爪を引っ掛けて掻く。主は腰をうねらせていた。 片側の胸だけ可愛がるのは不公平だ。オレは自分の下にあった座布団を主の後ろに投げ、横になるように促す。仰向けになった主の上に覆い被さり、胸に顔を寄せた。 「あッ、ん、ん、ッう……ッ、ん」 片方の胸を指で、もう片方を口で刺激する。乳輪を舌先でうろついた後、期待に膨れた先をわざと音を立てて吸う。すると、恥ずかしそうに身を捩るのが可愛かった。 頭を抱きしめられると身動きが取り辛くなったが、幸福感で胸が一杯になった。こんなことをされちゃ、もっと気持ちよくしてあげないと失礼だ。欲を掻き立てられ、主のいいところを探した。 胸を愛撫したまま、オレは膝で主の足を割り開く。オレの太腿が割り込んできて足を閉じられなくなった主が、時々内腿を震わせているのが堪らなかった。 胸を触っていた手を下半身に伸ばす。服越しに割れ目を撫でると逃げるように腰を揺らしたので、胸を強く吸うと背をのけぞらせて大人しくなった。 「かーわい……」 「っ、……」 胸から顔を上げると、息を乱した主が涙目でオレを見つめていた。唾液で濡れてぽてっとした唇に誘われ、キスをする。 主のボトムの履き口から手を忍ばせる。下着越しに触れたそこは。もう既に濡れていた。なんとなく、レースの材質から上下揃いの下着なんだろうなとわかる。 「ぬるぬるだ。わかる? ほら、沁み出てきてる」 「っ……はずかしい、から……」 「こんなに濡れてちゃ意味ないな。脱がしていい?」 主が静かに頷く。腰を浮かせてくれたのでそれに甘えてボトムをずり下ろした。 顕になった下着は、予想通り胸と揃いのものだった。艶かしい主の下着姿を目の当たりにし、言葉にし難い感動が胸に広がる。 酒に誘った時からそのつもりだったのか、もしかしたらを考えて備えていたのかは分からない。が、どちらにせよオレとその気でいてくれていたことに、歓喜で身が震えた。 上下揃いの下着は、上は立ち上がった乳首だけが露出していて、下は淫部から愛液が滲み出てシミになっていた。オレに抱かれるためにそうなっているのだと思うと、単なる性欲で片付けられない感動が込み上げてくる。好きな人に受け入れられるってのは、堪らない喜びだ。 それでいてこの絶景を眺めるだけでは物足りないとも思う。好きな女をその手で脱がしたいのも男の性だ。 オレが上半身に手を伸ばすと、主も意図を汲んでくれたのか、背中を浮かせた。背中に腕を回して、ホックを外す。解放された胸がふるりと震えていたので、少しだけ揉んだ。 続いて下も脱がせようとすると、主がオレを制止する。 「ちょっと待って、笹貫も脱いでよ」 「オレの裸、見たいって?」 「見たい……っていうか、私だけ裸はちょっと」 「それもそっか。いいよ」 オレは恥じらうものなぞひとつもないので、一思いにTシャツを脱ぎ捨てた。 この本丸には百数振りの刀剣男士がいて、夏場は上裸で彷徨いているやつもいる。男の体なんぞ見慣れているだろうに、主は物珍しそうにオレの体をまじまじと見ていた。 おそらくオレの方はこれ以上に熱心に主の身体を見ていたので、それを咎める権利はない。どんな理由であれ、主からの視線は大歓迎だ。 「下も脱ぐ?」 「……私が脱がせてもいい?」 「お、脱がせてくれんの?」 やはり今日の——枕を交わすのは初めてなので、彼女にとってはこれが普通なのかもしれないが——主は積極的だ。 主はオレのハーフパンツのゴムに手をかけると、下着と一緒にずり下ろした。すでにガチガチに勃起していたそれが勢い良く飛び出て、主が「わ」と声をあげる。無垢な反応に晒され、下半身に血が集まるのを感じた。 「で、かくない?」 「そ? ま、太刀だし」 「う……」 主はオレの性器をじっくりと眺めた。主の視線は大歓迎——だが、さすがにこれには恥が勝る。 物の大きさに対しての感想が何と比較してかは、言うまでもない。が、そこを突いていい波を逃すのも癪だ。でかいと言われて悪い気はしないので、グッと飲み込んだ。 「ね、触ってもいい?」 「いいよ、ほら」 オレは主の腕を掴んで、股間へと近づけた。主は恐る恐る、オレの竿を握る。 「わ……」 「そんなにビビんなくても、噛んだりしないって。主にはお利口だからさぁ、撫でてやって」 「ふふ、なにそれ……」 脈打つそれを、主はゆるゆると扱き始めた。 主の手は小さくてふにふにしていて、自分で扱くのとはまるで感触が違った。恐々とした手つきは物足りなくはあったが、それがかえって焦らされているように感じられる。 「熱くて、硬い……」 「主、もっと……」 「もっと?」 「強くして、良いから」 が、こっちは散々視覚で興奮させられた後だ。耐えかねたオレは、竿を握る主の手を上から包み、力加減を教えた。 親指の腹で裏筋を扱かれると、腹が震える。しばらく手を動かしているうち、物覚えのいい主はすぐコツを掴んで、自らオレを刺激し始めた。 「あ、イイ、……っ、」 「きもちい?」 「あー、……ッ、きもちい、わ、……主……ッ」 「ふふ……」 主の声には愉悦が混じっていた。オレが感じ入り、余裕をなくしているのが嬉しいらしい。 主の手淫に身を委ねて達したいのは山々だが、こっちには男としての矜持がある。あまりカッコ悪いところは見せたくなくて、グッと堪えた。 「じゃあ、こっちはどう?」 「っく」 快感をやり過ごそうとするオレを弄ぶかのように、主は握っていたそれを口に含んだ。 突然あったかくて柔らかい口内に招き入れられ、それだけでオレは射精しそうになる。それを寸でのところで押し留め、思わず主の頭に手をやった。 「ッ……あ、ッ」 「ふ、ははふ、ひ」 「喋んないで、ッ、あー……っ、やばい……」 あったかくてぬるぬるした口内を窄め、主はオレを搾り取ろうとする。頭を前後させてじゅぽ、じゅぷと下品な水音を立てているのに、それでも主は可愛い。少しでも快感を長く得ていたくて、奥歯を噛み締めて吐精欲をやり過ごした。 「はっ、あー……ある、主、……っ」 「ほ、はひへ、ははふひ」 「はぁ……、主、もういいから。口、離して」 主の口内の魅力は抗い難く、髪を掴んで揺さぶってしまいたい衝動にも駆られたが、大事な主にそんなことを出来るはずがない。肩をそっと押して口から物を吐き出させると、主はオレが達しなかったことを不満そうにしていた。 「口に出してよかったのに。気持ちよくなかった?」 「良かったよ。でも、流されっぱなしじゃ格好つかないだろ?」 積極的な主はエロくて可愛い。これ以上ない贅沢ではあるが、それが段々、主が自分を都合よく扱わせようとしているかのように見えてきて、いい気がしなかった。勝手な話、かつて主をそう扱っていた人物の気配を嗅ぎ取ってしまって。 「主、布団行こっか。よっと」 「えっ? きゃっ」 オレは主の身体を横抱きにし、立ち上がった。 二間続きの奥は、寝室になっている。両手が塞がっているので足で襖を開き、先へと踏み込む。側仕えの刀が用意したであろう布団の上に、主の身体をそっと下ろした。 横になった主があまりに静かだったので、機嫌を損ねたかと様子を窺う。顔を覗き込むと主はそっぽを向いた。 「主?」 「……お姫様抱っこ、初めてされた」 「ホントに?」 主は心底恥ずかしそうに頷いた。 うちの刀は揃いも揃って庇護欲が強く、主を子供がなんかだと思っている節がある。されたことくらいありそうなもんだと思っていたが、予想外の〝初めて〟にオレは浮かれてしまった。顔のニヤケが止まらない。 「初めて、か。そりゃ光栄だなぁ」 「う……だってなんか、こんなの」 「こんなの、何?」 「大事にされてるみたい……」 主の呟きに、オレはぽかんと目を丸くした。 顔を手で覆った主の腕を掴んで、口付ける。その勢いのまま布団に押し倒し、何か言いたそうな主の言葉を舌で奪った。 じたばたと動く足を体重で押さえつける。ついでに主の腹にいきり勃った物を擦り付けてやると、主はおとなしくなった。 「はっ、あ……」 「みたい、じゃなくてそのつもりなんだけど」 「だっ、だって……」 「あー……今のはさすがに[[rb:堪 > こた]]えたわ」 オレの手は主の身体を這い回り、太腿に辿り着く。腰骨の上を横断する下着のゴムの下に指を通すと、くすぐったそうにしていた主はぴたりと動きを止めた。 いざそうなって怯えているのか、脱がされることを期待しているのか。瞳を見る限りは、後者だ。 「こっちも、触っていい?」 「ん……」 しかしオレは主が大事なので、敢えて訊ねる。控えめに頷いたのを確認してから、ゆっくりと下着を取り去った。 主の大事な場所を隠していた布は糸を引いて名残惜しそうにしていたが、濡れて張り付いたそれはくっきりと恥丘の形をあらわにしていて、守るどころか却って卑猥だ。濡れた下着を布団の横に追いやれば、これで互いを隔てるものは一つもなくなった。 「っ……」 丸い尻を撫で回してから、指先でつつつと淫部に迫る。丘はとろとろと愛液を溢し、すでに布団に染みていた。 溝に指先を這わせると、それだけでくちゅりと水音が立つ。柔らかく、熱く、とろとろしたそこに先に触れた指を妬むように、竿は硬度を増した。酒が入っているにもかかわらず、さっきから痛いほどに張り詰めている。 「ん……ふ、あ、あっ、……あっ!」 何度か溝を行き来して、触れて欲しそうにふっくらした陰核に指を当てた。すると主は敏感に反応して、ぴくっと腰を逃がそうとする。 「ここ?」 「あっあ、だめ、そこは……」 「ダメ? 触っちゃダメ……ってこと? それとも気持ち良すぎてダメ?」 「き、……きもちいいから」 「そっか、じゃあ触るけど」 「あっん、あ……っ! や、っ、んんっ、まって、ささ……っ」 陰核を親指の腹で左右に捏ね、反対の手で中の様子を探る。中指を挿し込むと、だいぶ具合は良さそうだった。 が、オレのを入れるにはもう少し慣らした方がいいだろう。陰核への愛撫で主が達しそうになっているので、一度気持ちよくさせておくか、と中から指を抜き、顔を近づける。 主がしてくれたみたいに、オレと比べるとだいぶ小さくかわいらしいが、立派に勃起したそれを口に含む。主は大きな声を上げ、ダメだかなんだかと騒いでいる。今度は気持ち良いだけでなくオレがココを口に含むことへの抗議の意があるようだったが、さっきは気持ちいいからダメ、と言っていたのでやめてやらない。 「やあぁっ、あ、あっ、……ん、まって、まってってばっ」 「ん、はぁ、すごいなぁ……。どんどん溢れてくる」 「ひぅ、う、んんっ、あ、あぁっ……んっ、あ、だめ、だめっ……!」 「ダメじゃない、気持ちよくなっとこ」 震える主の体が小刻みになってきたので、そろそろかと陰核への刺激を強めた。 皮を剥き、蛇のように細かく舌先で舐めてやる。主はオレの頭を強く押して引き剥がそうとするが、お構いなしに愛撫を続けた。 「あっあ、あ……やっ、あッッッ……ッッ〜〜〜!!!」 すると主はビクッと大きく弓形に身体をしならせて、脱力した。 達したようなので褒めてやろうと陰部をゆっくり舐めると、そこがくぱくぱしている。その度にこぷりと愛液が溢れるので、それを啜った。 イったばかりであったかく、まだぴくぴく痙攣したままの中に指を二本差し入れる。多少きつそうだが、これだけ滑りがあればなんとかなるだろう。オレの方も、先から我慢汁を垂れ流して我慢の限界だ。 主の太ももを押し広げると、膝で胸が潰れた。太ももも尻も、その間でオレを待ち侘びるそこもあまりに柔らかそうで、同じ[[rb:身体 > 、、]]をもらっているのに男と女でこうも違うものかと感動する。ガチガチになった竿を溝に擦り付け、愛液を纏わせた。 「んっ……、あ、」 「あぁー……すっごいとろとろ、すぐ入っちゃいそ……」 角度をつけて溝に亀頭を突き立てると、媚肉に埋もれていった。あったかい肉襞を掻き分け、主の中に沈んでいく。 「っ……」 腰に全ての感覚を持っていかれたように、何も考えられない。ただただ快感に飲まれていた。 半分ほど竿が収まって、一旦腰の動きを止める。今でも十分気持ちがいいが、ここまで来たら全てを受け入れて貰いたくなってしまう。 が、恐らく主は例の元カレと別れて以来の、久々の情交だ。焦って飛び込むわけにはいかない。中にオレの形を教え込むように、ゆるゆると短いストロークで出し入れする。 「んんっ、う……」 「ど? 入ったけど……痛くない?」 「だいじょ、ぶ……う」 主は中を広げられて苦しそうだが、痛みはないようだ。胸を膨らませ必死に息をしているのが健気で可愛い。 「じゃあ、もうちょっとお邪魔しよっかな……」 「えっ……? っあ、」 オレは主の膝の裏に手をやり、そのまま更に前へ腰を押し進めた。先端が胎の奥にぶつかった感覚があるが、まだオレの物は収まりきっていない。 「はーッ、あ、あっ……」 柔らかい中ならばもう少しいけそうだと体重を傾けると、主が「まって」とオレを制止した。 「も、くるしい……」 「ダメ? オレの、まだ残ってる」 「だって、奥、ぐってなってる……ッ、う!?」 「ぐって、ね……はは、もうちょっとがんばろっか」 主には悪いが、ここまで手を引いて、こんな深いところまで連れてきたのはそっちの方だ。今更何を言われたって、止まれそうにない。 首を横に振る主と違って、柔らかくて熱い中はオレを懸命に受け入れようとしていた。 「ん゛っっう、……う、あ……っ」 「はーッ……、さいっこー……」 主の足を肩に引っ掛けて上体を倒す。正真正銘根元まで、オレの物は主の中に収まった。主の子宮を押し上げてまで入っているため窮屈だが、居心地は格別だ。ずっと入っていたいくらいだが、中の肉はぎゅむぎゅむと押し返すみたいにオレを搾り上げてくるので、一度腰を引いて抜いてやる。 「おッ……あ、う、う゛っ……ッあっ!?」 と、先が抜けきる前に、今度は勢いよく中へ押し込む。肌と肌がぶつかり、ばちゅ! と音が鳴った。オレの額から伝った汗がぱたぱたと主の身体に落ちている。 「あ゛っあ、あッ……、やっ、さ、ささぬきっ、ま、ッ……」 「主、っごめん無理、気持ち良すぎてやめらんない……、やっば……」 中は段々滑りが良くなってきて、オレの腰は速まるばかりだ。 大事に大切に、痛いことも辛いこともないように抱きたかったのに、主の嫌がることは何もしないでいっぱい気持ちいいことだけしてあげたかったのに、自分本位に腰を振る動きが止まらない。 次第に激しくなる動きによって音も荒々しくなる一方で、オレは主の腹をどちゅ、どちゅと殴るように貫き続けた。 「待っ、あ、あっ、だめ、おくっ」 「苦しい? はぁ、ごめんね、主、ッ……」 「こんなの、しらな、あッ、あ゛っ……っ、お」 「はは、知らないか……っ、」 「やあぁっ、待って、きもちいのやっ、こわい、っ……!」 「怖くない怖くない……はッ、あー、主っ、主……」 最早自分が何をいっているのかよく分からないといった様子で、主は必死に喘いでいた。 布団を引きちぎりそうな勢いで掴んで居たので、オレの首の裏に腕を回すよう促す。髪を掴まれたが、痛みなんて感じる余裕はない。むしろ、それすら快感に変換されていた。 「ッ……」 首裏に主の爪が食い込んで、揺さぶられた勢いで傷をつけていく。お互いに限界が近づいていた。肩の上に引っかかっていた主の足はいつの間にかオレの首を拘束するように絡んでいて、離れないでと懇願されているようだ。 オレは主の身体を抱え直し、より深く奥へ突き立てた。主の喘ぎ声が濁って、動物みたいで堪らない。 いい子で、可愛くて、綺麗な主がそんな声をオレにだけ聴かせてくれる。ずっと浸っていたいが、そうもいかない。 「主、主ッ……! ッッ……!」 「っっっ〜〜〜!!」 ぎゅうっ、と中が強く絞られて、オレはそのまま腰を強く突き出した。込み上げた精液を、主の中に勢いよく吐き出す。 喘ぐ主の口を塞ぎ、舌を絡めた。絶頂の波に飲まれて何もわかってなさそうなのに、主は舌を絡め返してくれる。 膣内に擦り付けるみたいに腰を揺らして、一滴残らず中に出し切った。 「主、……」 「ふぁ……っ……」 唇を離すと、主もオレの後ろに回していた首を布団の上に落とした。 これだけ出せば萎えそうなものだが、オレの竿はまだまだ物足りないらしい。すぐに固くなりかけたが、流石に主の身が気に掛かったのでずるりと引き抜く。 するとそのまま一緒に精液が溢れてきて、布団を汚した。主の熱ったそこから白濁が溢れる様子はあまりにいやらしくて、また股間に熱が集まっていく。 「ささぬき……」 「ん?」 「頭、撫でて……」 主からそんな幼い要求をされたのは初めてだった。 オレは面食らったが、それを隠して言われた通りに主の頭を撫でてやる。主は気持ちよさそうに目を細め、うとうととしていた。 「ど? これでいい?」 「ん、……うん、好き……」 これも主にとっては、『大事にされる』のうちなのかもしれない。 「オレも好き、主……」 こんなこと、ウチの刀なら誰だってしてくれるだろうに。主はとろけた顔は幸せそうで、見ていると目頭が熱くなる。 オレの下半身は物分かりが良かったので、こんな浸りきった主を前に更にその身体を貪ろうなんて気は起こらなかった。まだ元気な下半身を隠し、オレは主の頭を撫で続けた。 一瞬だけ手を離して頬に口付けると、主がこちらに顔を向けてくれたので、それに甘えて唇を吸った。